赤ちゃんという幸福を、本当はふたりで迎えたかった……。 ケイド、私の夫。彼が家を出ていってから、もう1年以上。ジェシカは別居が続く夫との関係に終止符を打とうとしていた。彼に会って離婚のための書類にサインをしたあとは、身寄りのない赤ちゃんを引き取って、ひとりで育てていくつもりだ。望んでも叶わなかった、母になるという夢をようやく叶えられる。2度の流産後もなお子供を切望する私といつしか気持ちがすれ違い、ケイドはそんな私を見捨てて去っていった。だから、彼を心から愛していても、もう別れるしかないと覚悟を決めた。そして、ふたりで会う約束をした日――夫と妻として会う最後の日、彼を待つジェシカの身に、突然、不運な出来事が起こる……。 ■12歳で母と死別し、心に深い喪失感が残るジェシカにとって、お腹の子を失うのは非常につらい経験でした。それなのに、考えの違いから最愛の夫にまで去られ……。ジェシカを襲った予期せぬ事態に、夫婦の愛と別れの天秤は比重を変えることになるのでしょうか?
良いお話でした。 とてもリアリティ溢れる物語りで、ハーレクインの王道というよりは、どこにでもある愛を見失いかけた夫婦の絆再生の物語りだと思います。 単に愛だ恋だというテーマではなく、破綻寸前までいった夫婦がいかにして関係を奇跡的に修復したかの過程を描いています。 大恋愛で結婚したケイドとジェシカ夫婦ですが、二度の立て続けの流産により、ジェシカは妊娠のことしか考えられなくなり、妻を支えきれなくなったケイドは家を出てゆきました。 物語りはケイドが家を出てから1年後から始まっています。 ジェシカから離婚を持ち出され、ケイドが彼女の家に向かうも、強盗に入られ怪我をした彼女は話し合いどころではなく-。 もし、強盗が入らなかったら、二人は冷めた関係のまま離婚していたのかもしれません。 ジェシカが大怪我を負ったことが、二人の運命の流れを軌道修正する役目を果たしてくれたのですね。 どんな夫婦にも潜む危うい落とし穴を見事に描き、流産と妊娠に懊悩する夫婦の姿が浮き彫りにされています。 きっと最後まで読んだら、誰もが「主人公二人に起きたことはけして他人ごとではなく、誰にでも起こり得ること」と感じるのではないでしょうか。
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